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レセプトについて

業界・企業

昨年末あたりからレセプト債を運用していた会社の経営破たんのニュースが出てきており、関わっていたファンド会社、運営会社、証券会社のずさんな資金運用等が明らみに出たのはまだ記憶に新しいと思う。この一連のニュースで「レセプト」について相当悪いイメージが付いたのではないだろうか。

そこでまず簡単に整理をすると、「レセプト」とは医療報酬の明細書。通常、私たちが診療を受けた後、3割を自腹で払い、残り7割を病院側が加入する医療保険機関に請求しますが、この部分の事ですね。このレセプトが提出先の機関で審査され、約2か月後に7割分が病院に払われる事になっています。レセプト運営自体は非常に健全で、病院側のレセプト申請に不備がない限り、実在する診療に対して、国の該当機関が支払うので、今でも安全であることは間違いありません。

では、その「レセプト債」では、何が問題になったのでしょう。この「レセプト」を「債権」として証券化し、売却した会社の運営が悪かったことにつきます。一連の流れとして、①7割分のレセプト報酬は約2か月後に入金されて来ますので、病院側は、報酬請求権(医療売掛)を他社に売却して、現金としてすぐ回収することを選択できます。資金繰りの一環ですが、業界ではファクタリングとも言い、例えば、将来100入金されるものを、現時点で97という割引いた金額で売却して早期に現金回収するということです。一部の会社では、②購入した複数の報酬請求権をまとめ、証券化して、第3者に金融商品として提供することにより、投資家から新たな資金調達して、更に多くのレセプト購入に充て会社を成長させることをしています。レセプト債を発行した後、ファクタリング会社が買取ったレセプトの入金があれば、その取り分をそのまま投資家に渡すだけですので、証券化自体にもあまり問題はないと考えられます。

これでは、まだ「なぜ」問題になったか分かりませんよね。今回の問題は、この②の時点で、ファンドの運用会社が、資金を関連会社に流用したり、債務超過であるにも関わらず、証券会社と結託して虚偽の決算書を提出したりと、レセプト商品の安全性を根拠に勧誘して、実態のない販売を継続したことにあります。レセプト自体の仕組みや、ファクタリング、証券化の問題ではありません。既に終了した診療に対しても報酬請求ですので、レセプトを出す病院等の経営状態にも実はあまり大きく左右されません。まあ、今回の問題では、数年先を見越した将来債権まで手を出していたと聞いてびっくりしました。まだ患者を診療していないのに、その架空の診療請求権を買取り・運用していたのですから。どこかで必ずつじつまが合わなくなりますよね。

「レセプト」について、少しだけアレルギーが薄まったでしょうか?我々も最近この破綻ニュースで困っている事業会社と会いました。今回破綻した会社とその提携会社の運用問題が、あたかもレセプト市場全体に対しての問題のように一部で思われてしまい。レセプトに対するイメージが悪化したため、このレセプト債の仕組みが上手く使えず、資金繰りが厳しくなっている病院もいるとの事です。この破綻で被害を被っているのは、投資家だけではなく、まじめに経営していた病院側も多いとの話しでした。

スマートレンドでは、レセプト債を扱うことはありませんが、今後、資金需要に困っている病院、クリニック、又は、それらを支えているファクタリング会社に対して融資という形で応援出来ればと考えています。最近は様々な業界の方と御会いする機会がありますが、いろいろと特異な内情などが見えて面白いです。今後も可能な範囲で皆さまに共有して行きたいと思っています。